オフィスに潜む8つのムダ[その7]人・コミュニケーションのムダ対策-その4-後編

ムダ対策後編

社内コミュニケーションを活性化させるためには様々な取り組みがあり、大きくは2種類に分けることができます。

一つは業務の効率化に直接関わる環境的な取り組みで、もう一つは従業員のモチベーションを高めるための対人的な取り組みです。

それぞれ細かくあげれば策はたくさんあるかと思いますが、ここでは比較的導入しやすく中小企業におすすめな主な取り組みを、いくつかご紹介します。

社内コミュニケーションを活性化する主な取り組み・具体策

環境的

WEB会議:スピードコミュニケーション

WEB会議
WEB会議システムとは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末を通じてインターネット経由で各所をつなぐ会議システムで、画面を通じて画像や音声、画面などを、その時につながっている全員が同時に共有できるものです。

集まるためにかかる移動時間や費用を削減できるだけでなく、業務スピードも格段にアップ。

■ここがイイ!WEB会議の効果

【集まる時の移動時間やコストの削減】その場で解決できれば、ムダな出張も減らせる。

【コミュニケーションの効率化】同時に同じ画面を共有できるから、思い違いも減少。

【場所を取らずに資料の準備も不要】会議室の設定や人数分の資料の準備などの手間が減る。

テレワーク:時間や場所を有効活用!

テレワーク
テレワークとは、「Tele=離れた場所」と「Work=働く」を組み合わせた言葉で、ICT(情報通信技術)を活用して、モバイルPC、スマートフォン、タブレットなどを使い、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方のことです。

■都合に合わせて使い分けよう!テレワークの3つの形態

①モバイルワーク
タブレットPCやスマートフォンなどの端末を携帯し、インターネット接続により外出先やカフェなど、時と場所を選ばず仕事をすること。

②在宅勤務
オフィスに出勤せず、自宅で勤務先のサーバーなどに接続しながら仕事をすること。通勤時間や移動の負担が減り、勤務時間外も有効活用できる。

③サテライトオフィス
営業所・支店などの離れた拠点でも本社同様の環境で仕事ができる。本社と同じ設備を導入する必要もなく、コスト削減にも。

■これは便利!テレワークにおすすめ

【タブレットPC】いつでもどこでも手軽にモバイルワーク。

【iPhone】電話連絡もクラウドも情報検索もこれ一つ。

【IT日報】スケジュールや顧客情報を管理・共有できる。

【エクセルオンライン】案件情報や社内資料をタイムリーに共有できる。

オフィスレイアウト:業務効率が高まる!

オフィスレイアウト
フリーアドレスと業務別スペースも効果的!オフィスのレイアウトは、業務の効率化はもちろんですが、従業員同士のコミュニケーションとのバランスも重要です。

コミュニケーションが活性化すると社内の会話や意見交換が活発になり、従業員のモチベーションも高まって、仕事のスピードアップや新しいアイディアにもつながります。

また、従業員が固定された自分の座席を持たず業務ごとに座席を選べるフリーアドレスと、業務別にレイアウトした複数のスペースを組み合わせることで、業務効率はさらに高まります。

■ここがイイ!フリーアドレス制度

フリーアドレスとは、オフィス内で従業員一人ひとりが固定された自分の座席を持たず、業務内容に合わせて座席を選べる形式のこと。

【コミュニケーションが活性化】オフィス内のどこでも仕事ができるため部署間の垣根を超えた交流が生まれ、社内のコミュニケーションが活性化。

【アイディアが生まれやすい】毎回環境が変わったり意見交換が活発になることで視野が広がり、新しいアイディアにつながりやすい。

【気持ちがリフレッシュされる】毎日新しい座席に座ることで気分がリフレッシュされ、気持ち新たに仕事にのぞめ、生産性もアップ。

【片付いたオフィスが保たれる】座席が決まっていない分、使用したデスク上や周辺を片付けるため、常に片付いたオフィス環境が保たれる。

■業務別スペースを有効活用しよう!

業務にも、話す、考える、作業するなど様々な種類があり、それぞれ進めやすい環境がある。
業務ごとに適したレイアウトのスペースをつくって、有効的に活用しよう。

【デスクスペース】机と椅子だけの通常業務を行うデスクスペース。オープンな対面式で交流もしやすい。

【打ち合わせスペース】全体的に近めの距離感で、少人数や短時間でのミーティングや打ち合わせに適している。

【個別ブーススペース】個室感があるスペースで、一人で集中して考えたり業務に没頭しやすい環境。

【リラックススペース】ゆったり座れるスペース。休憩しながら気軽にコミュニケーションを取れば、風通しもよくなる。

対人的

仕事基準書:仕事への価値観を合わせよう!

仕事基準書
仕事基準書とは、経営計画書や就業規則に記載した内容をより具体的に分かりやすく記したもので、「職場のルール」をまとめたものです。
もともと従業員一人ひとりで仕事に対する価値観も異なりますから、「会社としての理念や価値観」を明確にして現場に落とし込む必要があります。職場のルールが従業員に浸透していれば、仕事の基本レベルが高まり、顧客への対応レベルもアップ。

仕事基準書は、会社・従業員・顧客をつなぐコミュニケーションツールなのです。

■従業員の働き方ルールブック!仕事基準書づくりのポイント

【仕事基準書に盛り込む内容】
○経営理念・価値観
○遵守事項(コンプライアンス)
○業務内容・手順・やり方
○業務の基準(達成基準・判断基準)
○業務手順
○業務のポイント
○従業員としてのモラル・ルール・挨拶 ・身だしなみ ・時間管理 など
ポイント

報連相の徹底:チームワークが高まる!

報連相の徹底
報連相とは「報告・連絡・相談」のことで、それぞれ「報告=経過や状況を知らせること」、「連絡=関係者に事実を周知すること」、「相談=問題の解決や判断に迷う時、判断材料を増やすため周囲にアドバイスを求めること」を言います。
報連相が徹底されていると社内のコミュニケーションが活性化され、チームワークが高まって業務効率がアップします。

【報告】
経過や状況をリーダーに知らせることです。チームとしての業務は、進捗や方向性などの情報をリーダーが把握することで都度動くので、状況報告は部下にとって重要です。
逆に、リーダーから部下に報告する場合もあります。

【連絡】
関係者に事実を周知することです。例えば、「他人宛の電話を受けた」「予定が変わった」「約束に遅れそうになった」場合などがあげられます。
内容によって緊急度、重要度を判断し、素早く正しい連絡を行うことが重要です。

【相談】
問題解決や判断に迷う時、判断材料を増やすため周囲にアドバイスを求めることです。
自分一人では解決できないことも相談することで可能になる場合もありますし、相談相手との信頼関係を築くことにもつながります。

■ここは抑える!報連相のポイント

【報連相のタイミング】
○業務完了の報告
○中間の経過報告
○予定変更、イレギュラー発生時
○トラブル、ミスの発生時
○行き詰った時

【要件は簡潔に】
要件は「結論」から先に述べ、情報を整理してできるだけ簡潔に伝える。
5W3H(何を、なぜ、誰が、いつ、どこで、どのように、どのくらい、いくら)を意識する。

【早め、こまめ、正確】
緊急度、重要度をしっかり見極め、特にトラブルやミス、イレギュラーなことほど、早めにこまめに対処する。
ただし、焦らず落ち着いて、正確な情報を伝える。

評価面談制度:会社と従業員の距離が近づく!

評価面談制度
経営陣もしくは上司が部下を定期的に評価し、評価結果をフィードバックする場として、従業員一人ひとりと面談をする制度のことです。個々を評価しながら、今後への期待を伝えます。
評価面談制度は、従業員から会社の「公式業務」として認識されやすく、普段はわからない従業員が抱えている会社や仕事への想いや悩み(本音)を聞くことができます。
本音で話すことは、会社と従業
員の距離を近づけるうえで、とても有効的な手段です。

■従業員のモチベーションを高める評価面談のポイント

【評価シートの活用】
○会社の求めることを評価項目に設定する
○シンプルに分かりやすく点数で評価する

【個別に面談する】
○点数だけでなく言葉で評価を伝える
○年2回など会社の制度として実施
ポイント

■ここがイイ!評価面談制度の効果

【従業員のモチベーションアップ】
定期的に評価と期待を伝えることで、常に高いモチベーションを維持できる。

【従業員の離職防止と定着率アップ】
定期的に会社の方針と従業員の考え方をする合わせることで、定着につながる。

能率的な会議:密度を高めて生産性アップ!

能率的な会議
会議は、経営や業務について意見を交換したり、モチベーションを高めたりするとても大事なコミュニケーションの時間です。
ただし、単なる数字の報告会や、何も決まらない会議では意味がなく、生産性は高まりません。
同じやるのであれば、参加者全員が目的を共有し、限られた時間の中で密度の高い議論を行い、生産性が高まる能率的な会議にしましょう。

■効率よく進めて生産性を高める能率的な会議の進め方

①事前準備…課題や目的を明確にして、会場・資料・時間配分など準備。
②はじめに…会議冒頭では会議の「課題・目的」を発表して共有。
③問題提起…具体的な課題を簡潔に説明して、全体像を明確に。
④意見交換・議論…参加者同士で意見交換。必ず全員発言する。
⑤まとめ…議論した内容をまとめる。必ず何らかの結論を出す。
⑥感想…会議を通じて感じたことを全員で発信。次回に活かす。

■ここは抑える!能率的な会議のポイント

【事前準備をしっかりする】
当日議論に集中できるよう、【資料づくり・会場準備・連絡確認】は、事前にしっかり行う。

【10名以内、2~3時間】
集中して議論にするには、10名以内の参加者で2~3時間程度行うのがちょうどよい。

【ゴールを明確にして時間配分】
会議の目的(ゴール)を明確にして、問題提起、意見交換など、細かく時間配分して行う。

【参加者全員に発言の機会を】
決まった人だけでなく、会議の参加者全員に発言機会をつくり、モチベーションを高める。

◇その他、社内コミュニケーションを活性化させる取り組みには、以下のようなものもあります。

[社内研修]
例えば、「営業研修」「接客研修」など、従業員が一緒に共通のスキル獲得や課題の克服をめざすことで、モチベーション向上および人材力の強化が図れます。

[従業員アンケート]
共通の経営課題に対して、従業員全員に意見を求めるアンケートを実施。
思うことを本音を書いて経営に参加してもらい、一体感を高めます。

[気づき日報]
日々の業務報告の日報ではなく、一日の「気づき」を書く日報メールです。
各人が個人的な視点で気づきを書くことで、親近感や共感が高まります。

[社内報]
経営陣と従業員、他部署間など、社内報を通じて情報を発信することで、お互いの認識が深まります。
また、取材などでコミュニケーションも図れます。

[イベント]
昔ながらですが、社員旅行やボウリング大会といったレクリエーションを通じて、交流を図ります。
業務から離れた環境で、気軽に打ち解けられます。

[飲みニケーション]
社長と従業員や上司と部下が、同じテーブルでフランクに話せる良い機会です。
普段はできない話をしたりお互いの意外な一面を見るなど、理解が深まります。

[役員とランチ]
社長や役員と従業員が一緒にランチを食べる制度です。普段はお互いに面と向かっての交流は少ないため、経営陣と現場のよいコミュニケーションになります。

[誕生月の食事会]
社長が従業員の誕生日に、家族も含めて食事に招待するものです。
インフォーマルな雰囲気で気軽な会話もでき、家族との交流も図れます。

社内コミュニケーションで問題改善!

以上のように、社内コミュニケーションを円滑にしてオフィスを活性化することで様々な問題改善につながり、結果的に企業の業績にも大きく関わってきます。

新商品の開発やサービスの向上など対外的な取り組みに力を入れることも大事ですが、時にはじっくりと社内に目を向け、会社内部から整えていくことも必要かと思います。

↓オフィスに潜む”8つのムダ”シリーズ。前回までの記事はこちら
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