「いつでもどこでもオフィス」な働き方改革vol.1

テレワークはじめませんか

中小企業も「テレワーク」を本格導入する時代

今後の働き方改革の中心となる「テレワーク」

昨今の働き方改革において世の中で様々な取り組みが進む中、新型コロナウイルス感染症の流行と相まって、「テレワーク」の本格的な導入が大企業を中心に急激に進んでいます。

「オフィスから離れて働く」という意味のテレワークは、もともと政府が推進する働き方改革の取り組みの一つとして位置づけられていましたが、コロナ禍の今、オフィスでの「三密(密集、密接、密閉)」を避け感染拡大を防止する策の一つとして注目度が高まっています。

そしてこの流れは、単にコロナ禍を乗り切るための一過性のものとして終わることはないでしょう。テレワークは、コロナ禍の収束後も働き方改革の中心的な取り組みとして世の中全体に根づくと考えられます。

テレワーク導入が迫られる中小企業

このように、テレワークを導入した働き方の風潮が強まる一方、中小企業では、これまでも含めてテレワークの導入はあまり進んでいません。某大手人材採用企業が従業員300名未満の中小企業を対象に昨年実施したアンケートによると、テレワークを導入している企業は全体のわずか14%にすぎませんでした。

したがって、この度のコロナ禍を受けて、急きょ「在宅勤務」に切り替えた中小企業もあるかと思いますが、環境が整っていないために「データがない…」「打ち合わせができない…」「労務管理はどうする…」など多くの課題が浮き彫りになったのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、今後テレワークは働き方のスタンダードとして世の中に定着していきます。コロナ禍もさることながら、少子高齢化に伴う労働者人口の減少を補う策として、政府も推し進めています。
その流れに乗り遅れないためにも、私たち中小企業もテレワークの本格的な導入を進めていく必要があります。

中小企業の課題解決をサポート

しかし、テレワークを本格的に導入するにあたり、3つの大きな課題があります。社内体制(労務管理・仕事の管理など)、IT設備(パソコンなどの機器やネットワーク環境など)、セキュリティです。

中小企業でテレワーク導入が進まないのは、これらが大きな要因となっています。そこでこのコーナーでは、中小企業がテレワークを本格的に導入していくためのサポートとして、何をすればよいか、どういった方法があるか、費用はどのくらいかかるかなど、導入課題の身近な解決方法をご紹介していきたいと思います。

そもそも、テレワークとは?

“離れた場所”で“柔軟”に働く。

そもそも、テレワークとはどういったものでしょうか。
テレワークとは、「tele(離れた場所)」と「work(働く)」を合わせて造られた言葉で、インターネットなどのITC(情報通信技術)を利用して時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方のことです。

社会・企業・従業員の三者にメリットがある働き方改革の一つの手段として政府からも推奨されており、うまく活用することで中小企業にも多くの効果が期待できます。

テレワークによるメリット

総務や営業も在宅やモバイルワークで可能に

ITツールの活用で多様な業務にも対応。

テレワークは一般的に、自宅を就業場所とする「在宅勤務」、外出先での業務や移動中の時間を利用した「モバイルワーク」、勤務先以外に設けられた施設を就業場所とする「サテライトオフィス勤務」の3つの形態に分類されます。

かつては、育児や介護、障害や傷病などの理由によって通勤が困難な人のための特別措置やエンジニアや事務といった限られた職種のみが適しているとされていましたが、現在は様々なITツールが充実してきており、それらを最大限に活用することで、企画・営業・人事といった幅広く多様な職種や業務をテレワークで実施することが可能です。

ITツール

テレワーク3つの形態

テレワーク1:在宅勤務

オフィスに出勤することなく、自宅を就業場所とする就業形態。通勤にかかる時間が軽減され、従業員の負担を軽減できる。

テレワーク2:モバイルワーク

外出先や移動中の時間を利用するなど特定の場所にとらわれず働く就業形態。オフィスに立ち寄る時間や手間を削減できる。

テレワーク3:サテライトオフィス勤務

勤務先以外に設けられた一時的な利用を目的としたオフィススペースで、パソコンなどを使って仕事をする就業形態。

テレワークが中小企業にもたらすメリット

労働生産性の向上や離職防止にも効果的。

テレワークを導入することは企業経営に様々なメリットがあり、主には右図のような6つの効果が期待されます。
特に、大企業に比べて経営資源(ヒト・モノ・カネ)が限られる中小企業にとっては、時間の有効活用による労働生産性・業務効率の向上や離職防止による人材確保、非常時の事業継続という面で大きなメリットとなります。

具体的には、通勤や出張が減ることで業務の進行がスムーズになったり、通勤手当や出張費用の削減にもなります。
また、今回のコロナ禍や自然災害などで通勤が難しい状況に陥っても、オフィス以外の場所で事業を継続することが可能になります。

テレワーク6つのメリット

メリット1:労働生産性・業務効率の向上

通勤にかかる時間と負担を削減できる
○会議ための移動時間など時間のロスが減る
○モバイルワークですき間の時間を有効活用できる
○雑談や予定外の仕事が減り、業務に集中できる

▶ 時間を有効活用できる

メリット2:離職率の低下

結婚・出産・育児・介護など、生活環境の変化を理由とした離職を防げる
会社の移転・従業員自身の引越しなどにより通勤が難しく場合の離職を防げる

▶ 新規採用・育成にかけるコストと手間も減る

メリット3:事業継続性の確保

自然災害・パンデミック(感染症流行)・事故などの発生時でも事業継続が可能
○自然災害・パンデミック(感染症流行)・事故などが発生した際の迅速な情報伝達と対応が可能になる

▶ 災害時のリスク分散になる

メリット4:多様な人材の活用

育児・介護などを抱える従業員の負担を減らし、仕事との両立を可能にできる
○就労意欲があっても障がいで通勤が困難な人やスキルと経験のある高齢者などが雇用可能になる

▶ 雇用人材の幅が広がる

メリット5:業務プロセスの革新

業務の内容が見直され、ムダな業務の洗い出しや進め方の改善が進む
ペーパーレス化が促進され、業務効率が上がる
ICT環境が整って、情報共有力が上がる

▶ 組織全体がパワーアップ

メリット6:コストの削減

通勤手当・出張費用を削減できる
○出社する従業員が減ることでオフィススペースが縮小可能になる(賃料の削減
○ペーパーレス化により、紙書類の関連コストが減る

▶ テレワーク導入のコストもあるが長期的に削減

中小企業のテレワーク導入効果事例

労働生産性向上

W社(岡山県) 業種/事務機器販売業 従業員/32名 対象者/6名

【主な取り組み(一例)】
○パソコンを全社員に支給
○社内と自宅を仮想ネットワークで接続
○WEB会議システムの導入
○直行直帰や在宅勤務を全社員に実施
○テレワーク活用度と生産性を評価に反映 など

【主な効果(一例)】
■労働生産性向上…1年間で残業時間40%減、売上5%・粗利14%・生産性8%増
■離職防止…主に女性社員の長期勤務への安心感がアップ
■採用力向上…2019年卒業予定の大学生就職希望ランキング県内で上位/「在宅勤務可」の勤務条件により求人応募者数が1.8倍

M社(神奈川県) 業種/建設業 従業員/26名 対象者/全員

【主な取り組み(一例)】
○自社独自のソフトなどを使った運用体制
○同じスペックで同じ環境のPCを会社から支給
○自社サーバーとクラウドサーバーを併用
○接続権限ランク設定など情報セキュリティ管理
○特定場所でのサーバー接続指定 など

【主な効果(一例)】
■労働生産性向上…5年間で社員が増えたが、ガソリン・電力などのコストは減、売上高は増/労働時間・移動時間が減ったことで従業員のストレス減
■業務効率向上…削減コストを使って、オフィスのフリーアドレスのレイアウトを実現
■コスト削減…従業員の心身に余裕が生まれ無事故・無違反→車両保険70%削減

業務効率向上

Y社(大阪府) 業種/ウェアデザイン業 従業員/18名 対象者/4名(デザイナー)

【主な取り組み(一例)】
○会社支給のPCと個人所有のPC、スマホ活用
○社内と自宅を仮想ネットワークで接続
○WEB会議機能を持ち、在籍確認のできるコミュニケーションツールの導入
○在宅勤務にかかる費用は会社で一部負担 など

【主な効果(一例)】
■業務効率向上…会話から打ち合わせまで、社員間のコミュニケーションが円滑に取れる/モバイルワークにより顧客の決断が早まって、仕事全体のスピードアップ
■コスト削減…WEB会議により、顧客訪問にかかる出張費が削減
■離職防止…ワーク・ライフ・バランスが保たれ優秀な人材を確保できている

離職防止

C社(東京都) 業種/情報通信業 従業員/28名 対象者/全員

【主な取り組み(一例)】
○全社員にノートPCを支給
○PCと社内を仮想ネットワークで接続
○前日までに「いつ・どこで・何を」するかを決め自由な時間に作業が可能
○月に1~2回出社し、残りは在宅作業 など

【主な効果(一例)】
■業務効率向上…社内業務のペーパーレス化が進んだ/各種申請・承認がクラウドサービスで可能に
■離職防止…時短と在宅の併用で男性社員の育児サポート/働きやすさによる安心感で人材確保
■事業継続…震災時も在宅勤務で業務に支障なし

※参照:総務省「テレワークの最新動向と総務省の政策展開」「テレワーク情報サイト」

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